無濾過生原酒、低精白米。
その土地の本当の姿が現れる。
無濾過生原酒、それは米が持つ生命力そのままの個性を大切にした酒造り。
低精白米は、それは米本来の深い旨味と香りを守り抜く信念。
飲みどきが短い命の酒に、和圖はこだわる。
無濾過生原酒。低精白米。
その酒の大切な個性を取り除かない。
時代の真逆にいる。
‘磨く’ことで洗練させてきた今の時代に、
その土地や素材、作りの癖が出る‘つくり’はこの他にはない。
だからこそ酒の個性が生まれる。
横並びの味わいより、こんなのどうだと差し出してくる杜氏の一本を味わえば、
その土地でしか生まれない味に出会えるのではないか。
酒は、旅。
同じものなどない。
まだ知らない日本に出会える。
日本には、酒蔵が千あると言われている。
五百年続く蔵もある。家族で営む蔵もある。
大きな組織で世界中に名声を轟かせる蔵もある。
現代の‘磨き’がつくりだしている大きな潮流の中で
頑固に、真剣に、笑いながら、自分の道を貫いている杜氏たちがいる。
日本の酒の潮流などどこ吹く風と素知らぬ顔で自分の味を作り続けている。
世界が認めた無形の財産。
その中には、酒をもっと面白くしてくれる杜氏たちがいる。
そんな杜氏が作り出す酒もまた、たまらなく旨い。
この風景は、もう二度と出会えない。
無濾過生原酒は、酒の品質を安定させる最後の工程‘火入れ’をしない酒。
安定をさせないかわりに、酒の個性を包み隠さない。
でもその命は、短い。
ゆっくりとその味の華を閉じていく。
旅もまた人生の中で短い。
だからこそ出会いの瞬間が、愛おしい。
この瞬間を見逃さないでほしい。